フランスで最長のロワール川中流域にあり、豊かな自然に恵まれ、その土壌も素晴らしく、野菜や果物の栽培も盛んに行われている地方です。 歴史的な古城が点在することから「フランスの庭」とも呼ばれ、観光地としても親しまれ、2000年にはユネスコの世界遺産にも認定されました。 葡萄畑はロワール川流域に広がり、東西に長いことから気候、地理・地質的にも多様性に富んでおり、多くの種類の葡萄が植えられています。 栽培地は、大きく分けて州都トゥールに一番近いトゥーレーヌAOC、トゥールから東のシュヴェルニーAOC、トゥールから西の方角でロワール川右岸に位置するブルグイユAOC、左岸のシノンAOCが有名です。 西に行く程、海洋性気候、東に行く程、大陸性気候の影響を受け、ロワール河とその支流によって造られるミクロ・クリマも葡萄栽培に大きく関わっていると言われています。
生産者名 | Corentin ALLOT コランタン・アロ Sebastien LINCY セバスチャン・ランシー |
Châteauvieux シャトーヴュー
シャトーヴューは、フランス中部のロワール=エ=シェール県の南端、トゥーレーヌ南部のボカジェ平原の小さな農業地帯の一部です。
ブロワから南に約40㎞の場所に位置し、シェール渓谷と隣接した村で、海洋性気候に属します。
「プース・ピエ」(=フジツボ)は小さな海洋性甲殻類である。私たちはブルトン人の出身を反映させるためにドメーヌ名にこの名前を選んだ。ブルターニュでは、多くの時間を海辺で過ごし、散歩や釣りに時間を費やした。フジツボは南ブルターニュの海岸を象徴する種であり、私たちは特にグロワ島でフジツボを採取して食べるのが大好きだった。そう語るのは、小学生の頃からの同級生でブルターニュ出身の仲良し二人組、コランタンとセバスチャン。
彼らがワインの世界を知ったのは、2010年にエルヴェ・ヴィルマードの収穫を共に手伝った時でした。それをきっかけにワインへの情熱が高まり、アンボワーズの農業大学で葡萄栽培のディプロムを取得します。
その後、ヴーヴレのヴァンサン・カレムやジュリアン・ピノーで職業体験をし、コランタンはノエラ・モランタンで3年間、セバスチャンは引き続きジュリアン・ピノーで2年間働きます。その他にも、ドメーヌ・レオニヌ、ジェフ・クトゥル、ティエリー・ピュズラ、ローラン・サイヤールなどの自然派ドメーヌのもとで、さまざまな栽培方法や醸造を学び、多くの経験を積んだ二人は、いよいよ海を離れ、Châteauvieux(シャトーヴュー)の、下層に石灰岩そして粘土と石が多く混ざる素晴らしい土壌をを手に入れることを決意します。
2023年にドメーヌを立ち上げ同年ファーストヴィンテージをリリース。ワインにフレッシュさをもたらすこのテロワールがとても気に入っているという二人。現在1.5ヘクタールのソーヴィニヨンとシュナンを栽培しています。畑の一部はワイナリーから目と鼻の先、粘土質の多いテロワールにあり、もう一部は、サン・ジュリアン・ド・シェドン村の一番高いところに位置する、冷涼で風の強い場所にあります。
ワイナリー周辺の美しいテロワールを徐々に回復させることにも穏やかに情熱を燃やしている彼らは、土壌に化学薬品を一切使用せず有機栽培に取り組んでいます。
一緒にワインを造り、それぞれの経験を最大限に生かすために常に意見を交換し合う彼らは、ワインをより複雑なものにするために、さまざまな醸造方法やいろいろな容器を試し、酵母も添加せず清澄も濾過もせず、自然にワインを醸造したいと考えます。すべてほとんど、あるいは全く手を加えずに。
初ヴィンテージとなる2023年は、自ら栽培した葡萄と彼らと価値観を共有する信頼のおける生産者からの買い葡萄で5つのキュヴェをリリースします。ピュアで真っ直ぐ、心優しく繊細な彼らを反映したようなワインたちは、素晴らしい個性とセンスに溢れています。
《テイスティングコメント》
緑がかったうすいレモンイエロー。
詰まった蜜と火打ち石の香り。
洋ナシやバニラ、少し揮発のニュアンス。
ミネラル感と酸、苦みのバランスがすばらしく高いポテンシャルを感じる。
《テイスティングコメント》
黄金色がかったイエロー。少し粘性あり。
濃厚な花の蜜の香りに海藻を思わせるヨード香。
カリンやオレンジの果実感にエキス感たっぷり。
後味にしっかりスパイスと酸が乗ってくる。
ウイスキーのような上品な旨味が余韻に続く。
《テイスティングコメント》
赤色がかった淡いルビー色。ほんのり濁りあり。
イチジクのコンフィチュールやボンボンの香り。
赤系果実の詰まった酸と旨味が乗った軽快な甘み。
アロマと風味に満ちた艶やかな味わい。
《テイスティングコメント》
中程度の濃さのムラサキがかったルビー色。
まるで香水のような妖艶でエキゾチックな香り。
パッションフルーツのような酸が液体に溶け込んでいる。
余韻も素晴らしく、鼻から抜ける香りが最後まで華やか。